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飯田市立丸山小学校

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9/10 校長講話「たった1度のシンバル」

今日は、シンバルという楽器を持ってきました。
鳴らすととても大きな音が出ます。ですから、シンバルという楽器は、音楽が盛り上がってきたときに使う場合が多いですね。
ちょっと叩いてみましょう。
(鳴らす)
大きな音がしますね。
シンバルで、弱い音は出るでしょうか。
ちょっとやってみましょう。
弱い音を出そうとすると、すごく気を付けないと二つくらいの音が出たりします。

今日は、このシンバルのお話です。
世界的に有名な作曲家の一人に、ドボルザークという人がいます。ボヘミアという国に生まれましたが、素晴らしい作曲家だったので、アメリカに先生として呼ばれました。そして、アメリカで交響曲第9番「新世界」という有名な曲を作曲しています。

この曲は、第1楽章から第4楽章まであります。全部演奏すると40分を超える曲です。この曲の中で、シンバルは、たった1回だけ出てきます。たったの1回鳴らすだけです。
シンバルが鳴るのは、第4楽章が始まって2分くらいたったところで鳴らされます。オーケストラですが、シンバルを打っている映像がありましたので、それを見てみましょう。
(映像)
とても静かなところでたたいていました。全体の演奏の中にもぐりこむように静かに鳴らしていました。思い切りたたくのではなかったですね。この演奏者は、これでこの曲の仕事が終わります。こんな静かなところで、どうしてシンバルをたたかせているのか、という理由は分かっていません。当時開発された汽車が出発する音とか、連結する音ではないかという人もいますが、本当のところはわかりません。
ある打楽器の演奏家に、この曲をたたくときのことを聞いてみたことがあります。そうしたら、難しいことが3つあると言っていました。
一つ目は、シンバルの選び方です。静かにたたいて7拍伸ばさなければいけないので、できるだけ大きなシンバルを使わなければいけないそうです。また、金属は少し柔らかいタイプで音が長く伸びるものを選ぶそうです。シンバルを何枚持っているか聞いてみたら、「何枚持っているかわからない」と言っていましたから、曲に合う音を出すために、たくさんのシンバルを持っているんでしょう。
二つ目は、この曲のシンバルの話は、とても有名なので、打つタイミングがずれたり、打ち忘れたりしたら笑われます。シンバルの楽譜は、何十小節休みとしか書かれていません。ですから、バイオリンやトランペットなどの楽譜も用意して、それを見ながら打つ出番を待つようにしているそうです。
三つ目は、シンバルのたたき方です。大きなシンバルをそっと合わせなければいけません。全体がきれいに合わさらないと雰囲気を壊してしまいます。ですから、ずいぶん前からシンバルを持って、シンバルの位置を決めてじっと待つそうです。この時は、強くたたくときに比べると何十倍も緊張するそうです。そして、音楽の流れの中に入って、静かに打ちます。ちょうどいいボリュームで鳴ったなと感じることは、多くないそうです。でもうまく鳴った時は、とてもうれしくなると言っていました。
この話を聞いて私が一番すごいなと思ったことは、「ずいぶんまえから、楽器を叩く位置にかまえて待っている」というところです。たたいた音は、音楽全体の中に入り込むボリュームでなければなりません。強すぎても弱すぎても音楽が壊れます。たたく前には、どんなことを考えているのでしょうか。「シンバルとシンバルの距離はこれでよし」「右手の力はこれくらい」「左手の力はこれくらい」「静かに合わせるぞ」いろいろなことが頭に浮かぶ気がします。ステージに上がって30分以上、この瞬間のことだけをずっと考えています。すごい集中力と精神力が必要のような気がします。すごいプレッシャーもかかるでしょう。
音楽会の練習が始まっています。
皆さんも、すごい集中力と精神力で音楽の中に入り込んできれいな音や声を出せるようになってほしいと思います。

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